2012年03月号
3月の議会報告より市政運営に対する3つの疑問

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3月に柏原市議会の本会議が終了した。平成23年度締めくくりの会議であったが、財政問題、岡本市長の無責任な発言など、これからの柏原市の行方は厳しい。

災害復旧費「財政調整基金」が1億円を切った!災害にあったらどうする!?

柏原市の財政は、平成18年度末で「庁舎積立基金」「財政調整基金」合わせて約45億円以上あったが、23年度末の今、2つ合わせても17億円を切ってしまった。この6年間で、何と30億円近い大切な基金が減ってしまった。
「庁舎積立基金」とは、その名のとおり、庁舎建て替えのための基金であるが、財政赤字が続き、取り崩していたわけである。
また、「財政調整基金」とは、柏原市の条例の設置の目的によれば、「災害復旧その他財源の不足を生じたときの財源を積み立てるため」とある。これでは、第一の目的である災害復旧に使うことがあったら、たちどころに消えてしまう。

大阪維新の会の最高顧問を自負するなら市長自らの報酬カットをすぐ実行せよ!

「大阪維新の会」の橋下・大阪市長は、財政赤字に対し、自らの市長報酬を約42%、退職金に至っては80%もカットした。上に立つ者が、お手本となるべき態度を見せてこそ、初めて改革ができる。そうやって今、次々に職員の報酬、人員減と、矢継ぎ早に旧態依然の悪しき体質を改善している。
一般企業は業績が悪くなれば、人員、人件費のカットになる。柏原市の勤労者のほとんどは、市職員の年間報酬より低いといわれている。地方公務員は地方自治法に守られているとはいえ、赤字財政なら人件費の抑制から始めるのが筋ではないだろうか。
市長は、何億の削減をしたというが、多くは、公共事業による入札価格の引き下げ等である。濱浦議員が自分自ら身を削り、内部から行財政改するつもりがあるかを尋ねたところ、「喜んで給料を下げる。議員と共に30%削る。本会議に条例提出する」と発言したという。
そして、「議員もやれ」と発言。市長は、議員の多くが大幅な削減をできないこと知った上で言っている。「大阪維新の会最高顧問」と発言しているらしいが、それが本当なら橋下市長のように自分自身が、まず、自らお手本となって報酬カットを実現すべきである。

なぜ3市が使う留所山に、柏原市だけが維持管理を負担する!?

竜田古道の里山公園(亀の瀬・留所山)の亀の瀬が、国・府から上面移管されると聞いている。その維持管理費に、1億近くかかってくる。市民が集うところならまだしも、交通の悪い、高齢者や子どもたちが安易にいけないところに高額の維持管理費を毎年使う必要があるのだろうか。市は、維持管理費は、国・府に交渉するとは言っているが?
また、留所山には、毎年、維持管理費が2500万円以上かかっている。柏原市・羽曳野市・藤井寺市の3市がゴミの処分地として利用してきたことから柏羽藤環境事業組合が負担するべきである。そして、5年間の費用として5000万円のお金が組合から支払われていた。現在700万円残と費用が底をついているのに、24年度の予算に2500万円以上計上されていることから、建設産業委員会で紛糾し、全額を柏原市が負担すべきでなく、3市で公平に負担するのが筋道であると意見がだされた。
留所山の維持管理のほとんどは人件費であり、竜田古道の里山公園は、すでに、補助金等含めて3億円ほどの費用がかかっている。現在、あの広大な亀の瀬の維持管理費をどこが出しているのだろうか。何か、不透明さを感じる。
柏原市では、竜田古道の里山公園、玉手山公園、防災公園等、公園事業拡大のために維持管理費が毎年2億円近いお金が費やされていくのではないだろうか。防災公園の借り上げ料は、固定資産税の3倍であり、年々増加してきている。市立柏原病院が驚愕な赤字抱えている中、今後の柏原市も同じ歩みになるのではないかと思う。
柏原市の活性化を目指すのであれば、柏原駅、国分駅周辺を中心活性化が最優先ではないだろうか。

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岡本市長提出の副市長人事案件を議会が無記名投票により同意採決!!

本会議初日の3月22日、突如、岡本市長から、柏原病院事業管理者の吉田氏を副市長に選任することに同意を求める議案が提出され、本会議最終日の3月28日、無記名投票(賛成議員10名 反対議員6名)により、吉田氏が副市長に選任された。
吉田管理者といえば、赤字垂れ流しが続く市立柏原病院の事業経営を立て直すために、市長の肝入りでその任に就いた人物である。同氏はまだ、2年足らずの任期で経営は相変わらずの大幅赤字が続き、先般、マスコミを騒がせた医療機器の不正入札疑惑問題では警察も動き、いまだその実態については明確な結論が出ていないのである。
吉田氏に管理者としての能力があるのなら、これから先がその能力を発揮し、大幅赤字の病院経営を立て直す期間となるのでないだろうか。
この副市長選任案件を提出した岡本市長の見識は、まさに言語同断、論外の話であるが、これを受けた吉田氏の見識にも疑問を持たざるを得ない。

否決を恐れた岡本市長が議案提出を延期!?

今回の副市長選任については、岡本市長のあまりの非常識な案件提出に対し、一部の議員から異義の申し立てがあり、副市長選任を無記名投票により採決することの決定がなされたが、岡本市長は、突如、この案件を議会最終日の3月28日に採決するという策に変更したのである。
この間、岡本市長は、無記名投票では同意を得ることが難しいと思ったのか、各会派を説得して回ったことを数人の議員が証言をしている。

明らかに圧力を目的とした 差出人不明の封書が各会派に届く!   

さらに、3月23日ごろには、明らかに各会派に圧力をかけるための、『封書』が各会派宛に郵送されてきたのである。差出人は「柏原市政を見守る会 有志一同」である。中身は議会運営委員会(一般市民には周知されていない)が、採決方法を無記名投票によると決定したことに対する抗議文であり、「後ろ暗い、腹黒い、姑息な無記名投票は市民から見て、信頼のおけぬ議員に見えて恥ずかしい」などの内容が書かれていた。
起立採決で市長に睨まれ、後の仕返しを恐れる議員も議員であるが、名前も出さないで抗議・圧力を掛ける無記名の差出人も、言わば「一つ穴のむじな」である。

年賀はがきの書体と封書の書体が酷似

なお、この封書の書体が、先般、ある地方行政のトップが公職選挙法に違反して出した年賀はがきの書体と酷似しているのはたまたまの偶然なのだろうか?この問題は議会の根幹を揺るがす問題でもあり、今後の解明を検討中である。

3月28日の本会議では、藤森議員が、岡本市長が出したこの言語道断・論外の副市長人事案件についてその適否を厳しく追及したが、なんと岡本市長は、「市立柏原病院に何かありましたか?副市長適任者として吉田管理者しか頭に浮かばなかった」などと、まるですっとぼけた様子で答弁をしたのである。
今回のことでは、岡本市長に対してはもちろん、反対派、賛成派の議員を問わず、柏原市議会の責任として、いずれ市民の審判が下るはずである。
市民の代表者である議員は、今一度、地方議会の「二元代表制」の意味を噛み締めなければばらない。

柏原市の水路から基準値2.3倍のダイオキシンを検出!!

読売新聞が、「国土交通省近畿地方整備局は28日、柏原市峠の『亀の瀬地すべり防止地区』の水路の水から、環境基準値を2.3倍上回るダイオキシン類が検出した」と発表をした。同地区は1965〜75年ごろに焼却灰が埋められていた(3月29日付 読売新聞)。現在、福島原発による放射能汚染は全国的な問題になっているが、ダイオキシンも毒性が強く分解されにくい化合物で、皮膚や内臓障害を起こし、催奇形・発がん性があるものも少なくなく、ゴミの焼却の製紙の汚泥、自動車の排ガスなどに含まれ、環境汚染を起こすと言われている。
柏原市では、平成21年、かしわら見張り番が、東山の産業廃棄物不法投棄(残飯・廃プラ・タイヤ・金属・医療廃棄物等)の問題で、当時、その不法投棄をしていた業者(K社)で働いていた従業員が、自責の念から大阪府や地元警察に調査の訴えをしていた事実を公表している。当時、理由は不明であるが、大阪府があえて告発をした従業員を立ち会わせずに、全く的を外した場所(柏原市雁多尾畑)を掘り、結果、重大な環境影響を及ぼす事実は確認できなかったとして、うやむやな調査結果を出しているが、今後、本当に、柏原の宝ともいわれる山や川の自然に、環境破壊の危険が出てくることはないのだろうか?元従業員の話では、相当膨大な量の危険物が不法に投棄されているということである。
かしわら見張り番は、今後も、市や業者の責任の所在を追求していく予定である。