2012年01月号
一人ひとりが行政の見張り番になって
政治を市民にとりもどそう

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奈良県県会議員・阪口保氏と「市民による政治監視の重要性」を熱く語る

このほど、柏原市会議員・はまうら佳子氏と奈良県会議員・阪口保氏が対談し、市政のあり方、市民が市政に参加する重要性を話し合った。

柏原市採石場跡地にスポーツ施設!?この財政難になぜ?

濱浦:阪口さんは、生駒市で 市民オンブズマンとして、数々の市政の不正を正してこられましたね。
阪口:まず、土地問題ですね。生駒市の場合は、U会社が所有していたあまり価値のない山林を、「土地開発公社」という隠れミノを使って宅地並みの評価をさせて市が「総合スポーツ公園」という名目で購入、市長が謝礼として1000万円を受け取り、2年8カ月の実刑判決を受けました。こういうことが、あちらこちらの自治体で起こっている可能性があります。
濱浦:柏原市でも同様のことがあるといわれています。柏原市の旧「森組採石場」跡地に、スポーツ公園としてサッカー場などを整備するという計画が持ち上がったんです。土地を「柏原市土地開発公社」が先行買収するために柏原市が連帯保証人となり、将来、市が買い戻すというのですが、これにも数億のお金が、一部の市の関連人物に不正に流れるといううわさが持ち上がっていました。「市土地開発公社」という点で、生駒市の場合とやり方が酷似していますね。

談合や不正入札で得たお金は「泥棒」と同じ、市民はもっと怒るべきだ

阪口:建物、施設の入札でも不正が行われることが多いです。これに関して市民はもっと監視していかないといけないと思いますよ。随意契約が一番怪しいですが、指名競争入札に目を光らせていかないと、市の関係者が情報を流しているということも考えられます。業者の指定を一切しない「一般競争入札」や「電子入札」を増やしていくべきです。
濱浦:柏原市民病院の機器導入でも、昨年、大阪府警の捜査が入りました。談合や不正入札で得たお金は「泥棒」と同じ、市民はもっと怒るべきだと私は思っているのです。
阪口:市民のなかにも、これはおかしい、と思っている人はけっこういるんですよ。
濱浦:それは感じます。生駒市はオンブズマンの活動が盛んでらっしゃいますね。
阪口:若手の山下市長が就任してから、私たちと連携して新しい市政をすすめています。前市長は逮捕されましたが、その爪あとが残っていますし、議会にもいろいろな議員がいますので、これからもずっとこの活動を続けていかなければと考えています。

人口減少で税収は減る一方、ならば支出を減らす!

阪口:少子高齢化で人口が減っていっているわけで、税収(歳入)には当然限界があります。ということは歳出を減らすしかない。一般家庭のやりくりと同じ、収入が少なければ、節約するしかないわけです。
濱浦:阪口さんらのオンブズマン組織「見張り版・生駒」は、市会議員の定数と報酬にかかわる条例改正案を直接請求され、12.3%(市議一人あたり年間約111万円)の報酬削減を実現されていますね。
阪口:30%の削減を要求したのですが、通りませんでしたし、定数削減の案もだめでした。しかし、これからも地道にこの活動を続けていこうと思っています。
濱浦:柏原議会も人口の割合からいうと、議員定数・報酬が多いとも言われておりますが、その根拠がはっきりしません。柏原市では、現在、全議員がその問題で検討会を開いております。削減も大きな問題ですが、今後、地方分権と言うことで地方議員の資質が問われるようになり、官僚達に負けないように、あらゆる面での知識が必要になっていくのではないかと思っております。
私も市議でありますので、定数と報酬の削減等に取り組んでいくつもりです。そして、議員の責務として談合などの不正を徹底追及していく覚悟です。柏原市にも個人でオンブズマンの活動をされている方がいます。もっと広がって、組織ができるぐらいになってほしいなと強く感じています。
【阪口 保 氏 プロフィール】
奈良県会議員。市民オンブズマン「見張り番生駒」代表幹事として生駒市前市長の不正を暴き、生駒市から県会議員選挙にトップで当選。県では議員報酬の削減を可決させ、公共工事談合訴訟で勝訴するなど、市民のための政治を貫いている。

※市民オンブズマンとは…行政に対し、正しく政治が行われているかを監視する活動、人のこと。

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岡本市長、法律で禁止されている年賀状を有権者に!!公職選挙法違反か!?

岡本泰明市長が、公職選挙法(あいさつ状の禁止)で禁じられている、印刷された年賀状を市内の住民に送っていたことがわかった。マスコミ各紙に掲載され、またもや柏原市の汚名を世間にさらすことになった。

取材記者に終始無言、テレビでぶざまな姿をさらけ出す

岡本市長は『更なる改革を目指してまいります』など印刷された年賀状を市内外の知人らに計約500枚を出したという。岡本市長は2005年の当選後も年賀状をずっと送っていたらしい。昨年の柏原市民病院の不正疑惑に続き、読売、毎日など各新聞に載り、不正・違反のまち「柏原」の名を全国に広めることになった。
新聞だけでなく、毎日放送のニュース番組「VOICE」にも取り上げられたが、取材記者の質問に始終無言、市役所の職員に応対させる始末である。
「公職選挙法第147条の2」により、政治家は、選挙区内にある者に対し、答礼のための自筆によるものを除き、年賀状、暑中見舞状などの時候のあいさつ状を出すことは禁止されている。これは選挙運動にあたるからである。
岡本市長は「問題ないと考えていた」などと話しているらしいが、それはありえない。市議には毎年「年賀状の禁止」を通達として出していたからだ。岡本市長は、30数年前は柏原市会議員であったはずだが、その時からずっと年賀状を出していたのだろうか?
「これぐらいではバレない」と思ったのであれば、政治家として失格である。まずは、今回の違反に対する答弁を明らかにすべきだ。

市民の声

ある市民の方からメールをいただいた。柏原市民病院関連の方のようである。
「1月5日、16時から、例の入札不正疑惑にかかわったA院長・Y氏・O氏らから職員に新年あいさつがありました。そこで、A院長らは『病院経営はいよいよ危ないので、頑張ってほしい』と私たちに言うのです。私たちは精いっぱい患者さんの世話をしていますが、患者さんからは院長の不祥事を問われるし、稼働率は上がらないし、どう頑張ったらいいのか、正直わかりません」。
「あとで、医者と幹部だけの会議があり、そのときに『患者をもっと入院させろ』という指示があったそうです。病棟に見回りにも来ず、私たちの苦労もしらない管理職に、そんなことを言う資格はありません」。
「A院長は、もう退職すると言っていますが、それで莫大な退職金を手にするようであれば、安月給で患者さんたちに尽くしている大半の看護師は、もうキレます!ぜひ濱浦さんの力で、A院長に退職金を払わないように議会で言っていただくか、ムリだったから数々の不正を公表していただけないでしょうか」。

元気の出るコラム -入札不正は「泥棒」と同じ!

今回、奈良県県会議員の阪口保さんとお会いし、いろいろなお話を聞くことができました。生駒市の前市長は、数々の不正が発覚し、執行猶予もつかずに今服役中です。
ずっと感じているのですが、新聞やニュースで「空き巣」だとか「強盗」という言葉には敏感でも、「入札不正」とか「見返りの謝礼」には、ピンとこないという人が多いのではないでしょうか。でもこれは、明らかに市民が知らないと思って、そーっと「税金を引き出しから抜き出す泥棒」なのです。「泥棒」でなかったら「空き巣」ですわ。悲しいことに、このような不正は国内のどこか、市民が気づかないところで、行われている可能性があります。
そこで、大事なのが「市民の監視」なのです。市民が市政、府政(県政)を監視するグループ(オンブズマン)は国内あちらこちらで結成されています。おかしいことに対し「これはどうなっているのか」と資料を公開させる権利を市民である私たちは持っています。不正を問いただすことができるのです。
柏原市民のみなさん、私たちも、柏原市の明るい未来、子どもたちの将来のために、今、立ち上がって、市政を監視するオンブズマン組織をつくろうではありませんか。

パトロール

2009年度以降に実施した医療機器の指名競争入札で、特定の業者が全体の半分を超える14件を落札していた問題で、柏原市民病院は「調査委員会」を立ち上げた。2人の外部識者と病院職員・市職員の計7人で構成されている。昨年12月28日に第1回目の会議が行われたが、非公開である。市立病院の不正問題で、その調査するメンバーに、なぜ病院・市の関係者が5人も入るのだろうか。これでは公正に判断できず、問題はうやむやにされてしまう可能性が高い。こういう場にこそ、市民を入れるべきである。
赤字にもかかわらず、入札不正疑惑を抱える病院の実態、市民の監視で、このウミを今、出し切ってしまわねばならない。