2010年7月号
疑惑深まる家庭ゴミ入札 「前科」ある業者が落札

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一昨年鎌倉市で回収放棄し苦情殺到

今回の家庭ゴミの収集の入札に、新規参入の指名業者として参加し相当数の地域を落札した(株)大紀は、ゴミ回収を放棄して問題を起こした「前科」のある業者だ。こんな業者がなぜ指名入札に参加できたのか。この業者は岡本市長の有力な後援者でもあり、入札制導入の疑惑はますます深まっている。

古都・鎌倉で前代未聞の「ゴミ騒動」が発生したのは、平成20年も暮れの12月。市内のビン、空き缶など資源ゴミが回収されず、いたるところで山積みにされる事態となった。この騒ぎを引き起こしたのが、今回、柏原市で家庭ゴミ収集を落札した大紀である。

柏原市が今回、強行した家庭ゴミ収集業務の入札に、この大紀は堂々と指名業者として名を連ね、相当数の地域を落札した。同社は建設業者であり、鎌倉市での「前科」があるにもかかわらず、市はなぜ指名業者としたのか。加えて、この業者は岡本市長の有力な後援者である。この疑惑に、市は明確に答えていない。

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ゴミ収集混乱は必至

ゴミ収集は電気・ガス・水道などと同じ市民生活に直結するライフラインであるため、市は万一に備える措置を講じねばならない。ところが、6月に強行された家庭ゴミの入札では、そのような配慮がないばかりか、問題を起こしたことのある業者も新規参入。これでは、市民生活の混乱は目に見えている。

今回の入札では、7地区のうち5地区を新規参入業者が落札。経験の乏しさからトラブルを招き住民が被害を被る可能性は大きい。

「ゴミの回収誰でもできる」は大間違い

柏原市の担当者は、業者からの質問に対して誠意ある回答をせず、安易に構えている。ある意味、これまで50年間、大したトラブルもなく継続してきたから、とたかをくくっているのかもしれない。しかし、それは委託業者が、長い経験のなかで相当な努力をして業務をこなしてきたからである。勘違いもはなはだしい。問題が起きたときの受け皿をどうするのか。市民生活に甚大な影響をもたらしてからでは遅いのだ。

はまうら佳子の元気が出るコラム

私は、テレビドラマ『水戸黄門』が大好きです。助さん、格さんらを従えて、黄門様が諸国漫遊の旅先で世直しをする話です。ワンパターンと思いつつも見てしまいます。

権力を使って従わせようとする悪代官や悪徳商人は、何も江戸時代だけにいるのではありません。
このたびの入札問題で、そのことが身にしみて分かりました。目ざわりな者には権力をつかってあらゆるいやがらせをし、仕事も平気で奪う。一方、自分と利害が一致する者には甘い汁を吸わせる。どこかの市長さんもその一人。